観劇以外

もはやタイトル詐欺のあなぐま(anagmaram)別館。本館→https://anagmaram.hatenablog.com/

実はカジュアルに内臓から

血が出ているんですよね〜!という話。
読む人をいきなりギョッとさせるそんな書き出しはヤメロ!(すみません)


あんまり表立って詳しく書くことでもないかなぁと思ってたんだけどここのところ調子が悪すぎて、書くと自分の気がまぎれるという理由で書きます。

わたくし数年前から潰瘍性大腸炎という輩にかかずらっており、そいつがここ2ヶ月ほど大変機嫌が悪くて困っております。
(以下ところどころビロウなお話を含むので、食事中の方などは読まれませぬよう!笑)

潰瘍性大腸炎とは

以下、下記サイトからの引用。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

症状などは上記に書いてあるとおりで、腸の内側が炎症を起こし、下痢や腹痛に繋がる。
そしてこの病気、国の指定難病である。
原因不明なため根本的に完治させられず対処療法しかできないという意味での難病指定だそうなんだが、難病って言われるとやっぱりインパクトがある。診断されたときはめちゃくちゃびっくりした。
わたしは約7年前に発病したんだけれど、端的に言うと「血便が出る」ことで気づいた。
最初は「いやだわ痔かしら!?」なんて思ってた。それくらいほかの自覚症状がなかったのだ。
でも別にお尻痛くないんだよな…痔なら痛いはずだよな…とかなり不思議に思いながら、恐る恐る消化器内科と肛門科を併設してるレディースクリニックにかかったところ、潰瘍性大腸炎の診断になったのだった。

この病気、国内の患者数は16万人を超えており(平成25年度末の数値だそうなので今はもっと多そうですね)、なおかつ発病したとて命に関わるような大事に至ることは稀らしい。
難病といえど、対処法もはっきりと確立されている。
しかしそれでも「人生でこの先、治ることのない病気にかかってしまった」事実はだいぶショックで、診断を受けた直後は流石に泣いたことを覚えている。

どうやって治療するの?

完治はさせられないかわりに、服薬によって「寛解」という症状の落ち着いた状態を維持することはできる病気である。
発病からすぐ、わたしは最初に処方された薬によって、数週間で症状があっさり消えた。
そこからの数年間は、毎日薬を飲み続けている。この服薬は、たぶん基本的に一生続く。

発病後はこの服薬に加えて、経過観察のため3か月に1回の大学病院への通院+年に1回の大腸内視鏡検査を必須ルーティンとして続けている。
なんかこう書くとかなり大仰に見えるけど、むしろこんなもんで済むんですよ。なので当人はわりとケロッとしている。

症状がないと薬をサボりだしてふたたび症状が出てしまう(再燃というらしい)患者さんも多いそうだが、この数年間ほんとに毎日めちゃくちゃ真面目に薬を飲んでいるので、サボってなくて自分偉い!と思ってるくらい。
この通り、たとえ難病と言われても、薬さえ飲んでいれば別に健康体でいられるので、年1の内視鏡がだいぶめんどうだけどそんなに気負う必要もないな〜!という感覚で過ごしてきた。

怪しくなる雲行き

毎年夏に受けている内視鏡検査では、去年は「全く異常なし、腸の内壁組織を取って検査する生検も不要」というたいへん優秀な成績だったのだが、去年の12月半ばあたりから、急に血便が復活してしまう事態に見舞われた。
本当に原因不明で、ある日突然またトイレットペーパーに血を見ることになった。
最初は気のせいだと思おうとしてたけど、まあ当然そんなはずはなく。。
原因がわかっていてもやはり血を見るとギョッとするので、精神的にはダメージがある。
だって排便のたびにトイレットペーパーにもれなくついてくる血…いや、ふつうに考えて、そんなの誰だっていやだよね〜!?笑
これは笑い話なんだけど、生理中なんて何の血かよくわからない気持ちになりますからね!「え、なにこれ、穴という穴から血が?ウケる!」みたいな。(ウケない)(柄にもなくビロウでまことに申し訳ございません)

この出血、年内におさまったらよいな…という目論見は残念ながらはずれてしまったので、観念して年明けすぐに予約外で病院にかかった。
先生に症状を説明して服薬量を2倍にする処方をしてもらったのだが、しかしそこから1か月半経つ今も、まだ絶賛出血している状態が続いてしまっている。まさかこんなに長引くとは!

とりあえず明日は通院日なので、そこで多分薬を変えてもらうなりの対処になりそう。
今までずっと効き目のあった薬でどうにもならない事態がいきなり来たりするのもなかなかに厄介だし、全国的に起きている薬不足はけっこう深刻みたいで、潰瘍性大腸炎の治療薬はものによっては欠品もしているようなのでちょっと不安。

以下は最初に貼ったサイトからの再引用なのだけど、

この病気は病変の拡がりや経過などにより下記のように分類されます。
1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎
2)病期の分類:活動期、 寛解
3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
4)臨床経過による分類: 再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

分類で考えると、私は「直腸炎」(大腸には炎症が出ていない)で、寛解と活動を繰り返していて、基本は軽症で済んでおり、今のところ「再燃寛解型」ということになるんだと思う。

普段はどんな感じなの

なんともない時は、本当に単なるただの健康体である。好きなものを食べられるし少量ならお酒も別に絶対ダメというわけではない(飲まない方がいいとは思うけど)。
ほんと、薬さえ飲んでればオッケー!に尽きる。

しかし血便は出ずとも、発病後はお腹の調子が悪くなりやすくなった。
すぐ下痢をしてしまうので、調子が悪いと「お腹の痛みで飛び起きて夜中にトイレに駆け込む」みたいなことが起きる。
去年の今頃は「血便は全くないが、ひたすらお腹を下し続ける」みたいな体調が3週間近く続いた時期があって、それもそれでだいぶ気が滅入った。
私の場合はお腹の具合が悪いと、なんというか体の内側からどんどんエネルギーが漏れ出していく感覚になる。力が入らなくて、メンタルがかなりやられてしまうので、それがしんどかった記憶。

今は反対にさほどひどい下痢になることはあんまりないんだけど、炎症の結果生じている粘液のせいで、便意がとにかくめちゃくちゃ鋭角に刺すようにやって来るのでそれが大変。本当に笑えるくらいに急に、しかも深刻に来る。
だってものを食べると5分も経たずに便意が訪れたりするのだ。いや、流石にどうなってるんだよ!?腸内で到達するの早すぎねえ!?って思う。(メカニズム謎すぎます)
その結果どうしても頻繁にトイレに行きまくらねばならず、さらにそのたびに血を見る羽目になるので、
今はただひたすら「はやくおさまってくれんかね!?」の気持ちでいっぱいになっているのであった。
とりあえず今は在宅勤務でありがたい。だってそんな頻繁に職場でトイレ行くのも大変だものね…。この点でつらさを抱える患者さんも多いんじゃないかなと予想する。。トイレ事情、エマージェンシー!な時にはほんとQOLに直結する一大事だと思う。

「健康」について思うこと

一般的に見てものすごく健康だった瞬間が、私はたぶん人生にあまりない。
若いころの私は、「体力には自信があります!」な人の真逆…不定愁訴の総合デパートみたいな体調の思春期だった。
若さゆえの起立性低血圧と自律神経失調症に悩まされまくっていたから、
わかりやすく「元気!」みたいな状態が連続して当たり前のものとして自覚できるようになったのは成人してからだし、社会人なりたてのころは胃腸炎や気管支炎などでダウンしまくっていたので、安定した体調を維持しやすくなったのはむしろここ数年になってだったりする。


こんな感じで持病があれど、バカみたいに行動力あるときはあるし、元気な時は元気だし、
自分の中の「健康ライン」がわかっていれば特に気に病む必要はないと思って過ごしている。
今は残念ながらその健康ラインを割ってる状態なので(そりゃ血便が出てりゃな…)、早いとこ落ち着いてくれたら嬉しいなという感じ。


本人にとってどうにもならない体の不調っていきなりやってくるものだ。
なにかしらの理由で元気じゃない人が身近にいたら、ちゃんと寄り添えるようでいたいなと思う。
そしてどんな時も、まずはTake care of yourself! なんだと思います。
心身共に健やかだと自分が思える状態を、なるべく保っていられたらラッキーでハッピー。
というわけで我が腹よ、そろそろ機嫌を直してくれたら嬉しいです!